そもそもバスガイドは、おもに観光ツアーを企画・運営するバス会社に勤務している。高校、短大や大学を卒業してからバス会社に就職する人だけでなく、他の業種から転職してくる人も少なくない。未経験者でも飛び込みやすいが、やはり経験がものを言う職業であるので、いきなり第一線で活躍するというのは難しい。まずはバス会社に入社してしっかり研修を受けて、バスガイドに求められる知識やスキルを勉強していくことになる。おおよそ5年ほどの経験を積むと一人前とされることが多い。知識が深まり経験を積んでベテランになると、派遣やフリーランスのバスガイドとして活躍する人もいる。求人に際しての年齢制限は30歳までと指定している会社もあれば、40代でも問題ないという会社もあるので、門戸は広いと言えるだろう。
バスガイドの給料
バスガイドの収入は決して高いとは言えない。大手の観光バス会社に正社員として入社したとしても、初任給は15万円から17万円くらいで、他の業界と比べると低い。年収にすると200万円台から300万円台だが、キャリアを積むことで徐々にその額は上がっていくのが一般的である。バス会社内で役職をもらえるようになれば、年収500万円以上となる人もいるが、それでもある程度のところまでしか上がらないのが事実で、飛躍的な給料の増加は望めない仕事であるとも言える。バスガイドはその仕事の性質上、毎日同じ勤務時間というわけではない。観光ツアーの内容によってその時間は異なり、ときには泊まりがけのツアーに同伴することもあるので、時間外勤務手当や出張手当などが、基本月給に加わることが多々ある。
バスガイドに必要なこと
バスガイドは特別な資格が必要というわけではない。しかし前述の通り、さまざまな知識やスキルが求められ、それらを研修でみっちり叩き込むこととなる。お客様に喜んでもらうために、観光地の歴史や地理についての勉強を地道に続けて、自分のものにしていくことが必要である。それだけでなく、話し方や歌の練習、滑舌のトレーニングなどやることはたくさんある。
バスガイドの仕事では、自分も観光地に行ける楽しさはあるものの、「お客様に楽しんでもらう」ことを第一に考えなければならない。人間の感じ方は多種多様なので全てのお客様に満足してもらうにはどうすればいいか模索し、最善のガイドのために尽くすことが求められる。自分は何度も行ったことがある土地でも、お客様にとってはそれが最初で最後の観光になるかもしれない。常にお客様目線で物事を捉え行動する必要があるのだ。